生産管理システムとは?主な機能や導入のメリット

生産管理システムとは?製造業に必要なITシステムの主な機能や導入のメリットについて解説

生産管理システムとは?製造業に必要なITシステムの主な機能や導入のメリット

製造において、管理はとても重要です。在庫や顧客などの情報管理だけではなく、作業工程の管理、品質の管理、リスク管理など、様々な部分で管理を必要とします。また、管理以外にも原価計算や資材の発注などの細かい作業もあり、決して「ただ作って売れば良い」わけではありません。

生産管理システムは、そんな数々の管理を自動化するためのシステムです。分かりやすく、そして使いやすくまとめることで、作業の効率化やコスト削減などにつなげることができます。

生産管理システムにはどのような機能が含まれるのか。導入によるメリットや検討ポイントなどを紹介します。

生産管理システムとは

生産管理システムとは、生産に関する内容すべてを管理・統括するためのシステムです。

生産管理を系統的に行うために、生産に伴う現品、情報、原価(価値)の流れを統合的、かつ、総合的に管理するシステム。

JIS Z8141:2001 1216

日本工業規格(JIS)では生産管理システムを上記のように定義しており、生産の中核となるシステムと言えます。

従来は、トヨタ自動車によって発明された「カンバン方式」によって管理されていましたが、デジタル化の推進によって、コンピュータによる統括生産管理システムが確立されます。

それにより、大企業の生産管理も簡単となり、人的ミスも減らせるようになりました。さらに、管理するための人材コストの削減にもつながるなど、導入によるメリットは大きく、多くの企業で生産管理システムの導入が望まれています。

生産管理システムの主な機能

生産管理システムは、主に七つの機能によって成り立ちます。それぞれどのような機能なのか、確認をしてみましょう。

資材調達・購買管理

資材調達とは、生産をする際に必要となる、資材を管理するための機能です。商品を作る際に、「どの資材・部品」が「いつまで・どこ」に「どの程度必要」かなどを管理します。

また、購買管理は、仕入れを管理する機能です。「購入先」や「購入金額」などを一括管理し、記録します。

商品を生産するためには資材や部品が必要であり、過不足なく生産するためにも、購入管理は必要です。取引先の倒産や、原価変動によって仕入れ先を変更する際も、管理されていればスムーズに変更がしやすくなります。

生産計画

生産計画とは、生産工程全体を管理するための機能です。「どの製品」を「いつ」「どれだけ」「費用はどれくらいで」といったように、生産計画によって全体の計画が立てられます。

他にも、購買管理や工程管理を始めとした、他機能のデータをもとに生産計画を立案したりなど、生産管理システムの根幹とも言える機能です。

製造・工程管理

工程管理とは、作業の流れを管理するための機能です。進捗状況や各工程を精査し、より効率的な生産工程を提示します。

進捗状況が遅れているようならリアルタイムで工程を修正するなど、現場監督のような立ち位置とも言えます。

また、作業工程を見直すことで、事故やトラブルの原因も見えてきます。事前にリスク管理をするのはもちろん、現場で生じてしまった事故やトラブルに対しても、迅速に対応できるでしょう。

販売管理

販売管理は、販売業務を管理する機能です。商品の見積もりから始まり、受注、出荷、売上の記載までの流れを、すべて管理します。

事前に販売数を把握しておけば、作りすぎによる在庫過多の心配はありません。余分な仕入れや生産を防ぐだけではなく、管理コストの節約にもなります。

他にも、過去の販売データや流行から需要を予測し素早く生産に踏み切れるなど、利益を上げるために欠かせない機能です。

在庫管理

在庫管理は、在庫状況を管理するための機能です。「どの在庫が」「どの程度あるのか」「製造日はいつか」など、在庫の状態を一目で分かるようにします。

販売管理同様に、在庫過多や在庫不足を防げ、適正な在庫運用が可能となります。

他にも、商品に問題が生じた際に、製造日やロットごとに原因の究明ができます。異物混入などで商品の回収や廃棄をする際も、迅速に対応が可能です。

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原価管理

原価管理は、製品に対していくら使ったかを管理する機能です。製品に使われた資源から逆算し、原価を計算することで利益を算出します。

当然ですが、利益は原価と販売額の差分によって算出されます。より利益を出すためには原価を安くする必要があり、いくら原価を使ったかを把握するのはとても大切です。利益が出ないようなら別の資材に変えるなど、管理データはコスト削減の基準になるでしょう。

原価は、目で見て分からないからこそ、生産管理システムによる見える化を必要とします。

品質管理

品質管理は、製品の品質を管理するための機能です。生産した商品が、一定の品質を満たしているかなどをシステムによって確認します。

商品に不具合があると、販売先に迷惑をかけるだけではなく、自社の信用も失います。取引の解約による経済的損失を防ぐためにも、品質確認の機能を欠かすことはできません。

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生産管理システムの費用の相場

生産管理システムの導入費用の相場は0円~2,000万円に収まることがほとんどです。2,000万円以上ともなると大企業に導入するようなものかもしくは、たくさんの機能で自社業務に特化した特別なカスタマイズをしたシステムになってきます。

実は無料の生産管理システムも存在します。ただし、無料のため導入時や導入後のサポートがない場合がほとんどのため、サポートが欲しい場合には、有料のシステムを選ぶことをおすすめします。

有料の生産管理システムになると、数百万円~数千万円の導入費用が発生するものも少なくありません。費用の違いは主に機能の豊富さに起因することがほとんどです。100万円を超えてくるものになると、カスタマイズが可能な場合もあり、自社の業務に合わせた形でのシステム開発が可能な場合もあります。

最近では、サブスクリプションで提供されるシステムもあります。初期導入費用を抑える代わりに月額費用や年額費用などの定期利用料金が発生するような提供形態です。

費用は相場の幅は広いですが、予算や会社規模、導入の目的などに合わせて選定することが重要になります。

生産管理システム導入のメリット

生産管理システムを導入すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

作業・工程の効率化

システムの導入により、作業時間の効率化が期待できます。手動から自動化に移行することで、今まで作業や管理に費やしてきた時間を、別の作業に割くことができるからです。

人的ミスの削減にも効果があり、人が管理するよりも正確に管理できます。

また、生産工程を見直すことで、作業時間の短縮にもなります。危険で無駄な作業が削減されればリスク回避効果も期待でき、より作業のしやすい環境を作れるでしょう。

コスト削減

システムの導入は、コスト削減も期待できます。販売管理や在庫管理によって必要な数を把握し、不必要な在庫を作らないことで、資材の無駄を省けるからです。不要な在庫がなければ管理コストも最低限に抑えられます。

また、原価管理がされていれば、製品の見直しもできます。高い資材を安い資材に交換することもでき、全体的なコストダウンにつながるでしょう。

他にも、無駄な作業を減らすことによる人件費削減など、業務に関する無駄を減らせます。

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情報の把握・見える化

システムを導入すれば、管理情報の把握がしやすくなります。原価管理や在庫情報などを一目で分かるようにし、意識させることで、コスト削減や作業効率の向上を促せます。

また、生産計画や工程管理を視覚化すれば、進行状況も把握可能です。作業の遅れを把握できるのはもちろん、他の工程や部署とも連携しやすくなるでしょう。

他にも、異常や故障の検知、在庫や生産状況に合わせた新規受注の対応、入力や伝達で生じる人的ミスの防止など、様々な部分でメリットが感じられます。

生産管理システムの検討ポイント

生産管理システムは、ただ導入すればメリットがあるわけではありません。もちろん、導入することで便利にはなりますが、場合によっては実感が薄く、高い買い物になってしまいます。

意味のある導入にするためにも、検討する要点を紹介します。

自社の課題と導入目的の明確化

システムを選定する際は、何が必要なのかを明確にしてください。機能が多いほど便利に思えますが、機能が多すぎると逆に使いづらくなります。機能を増やせば開発コストもかさみ、使わない機能のための無駄な出費にもなるでしょう。

機能が必要になれば、完成後でも追加することは可能です。生産形態によって必要となる機能は異なりますので、自社にとって最低限必要な機能を判断してください。

生産管理システム導入に係る費用

当然ですが、導入には費用が必要です。独自のシステムを導入する際には開発費用はもちろん、メンテナンスなどのランニングコストも必要であり、導入する際は費用のことも考える必要があります。

流行だからといって無理に導入して、会社の負担になるようでは本末転倒といえるでしょう。

近年では、従来のオンライン型よりも安い、クラウド型も増えてきています。それぞれの性能を比較して、無理のない生産管理システムを導入してください。

また、生産管理システムは自作することも可能です。決して簡単に自作できるわけではありませんが、場合によっては検討することをおすすめします。

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他システムとの連携

システムを選定する際は、他システムと連携できるかも気にしてください。もし連携ができない仕様だと、今使っているシステムのデータを一から入力ことになってしまいます。loTによる作業実績のリアルタイムの管理ができないなどの理由から、作り直す必要もでてくるでしょう。

また、自社の生産形態との適合を確認することも重要です。個別生産やロット生産など、会社ごとに生産形態は異なり、その形態に合わせた生産管理システムが必要です。

生産管理システムは、あくまでも従来の生産工程をサポートするシステムであり、生産管理システムが主体となってはいけません。機能やコストだけで選ぶのではなく、自社に使えるかどうかで選んでください。

セキュリティ面の信頼性

生産管理システムは、会社の全貌とも言えるシステムです。多くが社外秘の情報であり、漏洩することで、会社は甚大なダメージを負ってしまいます。会社の信用や利益を守るためにも、しっかりしたセキュリティ対策が必要となります。

特に、近年の生産管理システムは、インターネット上で管理するクラウド型が増えています。個人情報の流出によってニュースになることも珍しくはありませんので、オンプレミス型よりも、一層の注意が必要です。

サポートの充実度

導入する際は、サポートの有無も確認しましょう。システムに不調が生じた際、新しい機能を追加したい場合など、サポートが充実していればすぐに対応してもらえます

もちろん、ちょっとした要望、疑問、質問に対するカスタマーサービスも重要です。初めて導入する際は分からないことも多く、気軽に相談できるととても助かります。

システムを選定する際は、アフターケアが含まれているか、どのようなことができるのかなど、サポート内容も確認しておきましょう

中小製造業でシステム化が進まない理由

中小企業庁が公開している『2018年版 中小企業白書』によると、中小製造業は他の業種と比較して「受発注」「在庫管理」の業務におけるIT導入比率が高く、約75%の中小製造業がITやシステムを導入していると分かっていますが、約1/4の企業では受発注業務や在庫管理についてもITが未導入であるというデータがあります。

システムの導入が進まない理由として、「高額なシステムに対する費用対効果が見えにくい」ということが理由として挙げられているのが現状としてあります。

IT投資を行なうことで「売上高および利益率は向上した」という結果があるのも事実です。システムを導入する前には、課題や目的などを明確にしてからIT投資を行なうことが重要と言えます。

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まとめ:作業の効率化やコスト削減などに繋がるシステム

生産管理システムを導入することで、作業の効率化やコスト削減が期待できます情報を視覚化することで作業内容の透明化にもなり、リスク管理にもつながるでしょう。

ただ、導入には費用がかかります。他システムとの連携もあり、とりあえず導入すれば良いわけではありません。「なぜ導入が必要なのか」「導入するとどのように変わるのか」を明確にする必要があります。

システムには基本とする機能がありますが、機能を変更しカスタマイズすることも可能です。自社の生産形態に合わせた、分かりやすく使いやすい生産管理システムを導入してください。

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