製造業で図面をペーパーレス化する4つのメリットとポイント、導入方法とその注意点

大量の図面の山とおさらば!ペーパーレスのメリット

製造業の皆様は、職場に図面や書類の管理にお困りではないでしょうか? 印刷して棚などで保管している場合、欲しい図面を探すのに多くの時間がかかってしまうのではないでしょうか?

近年、図面や書類を紙ではなくデータで管理する「ペーパーレス」が主流となっています。

ペーパーレスが製造業においてなぜ必要なのか?この記事では、図面をペーパーレスで管理するメリットやデメリットについて紹介します。

製造業におけるペーパーレスとは?

ペーパーレス(Paperless)とは文字どおり「紙を減らすこと」を意味しています。

従来紙で扱っていた図面や請求書、社内文書といった書類をデジタルデータ化し、紙で扱う機会を減らすことでコスト削減や生産性向上を図るのがペーパーレスの目的です。

IT導入やDX、SDGsといった言葉が製造業でも叫ばれている中、ペーパーレスに取り組むことはそれらの第一歩になることでしょう。

しかし、やみくもにペーパーレスを推進しても結局失敗してしまうこともあります。ペーパーレスに取り組む目的と、メリットやデメリットを認識しましょう。

製造業におけるペーパーレス化のメリット

製造業において図面をペーパーレスで管理することは多くのメリットがあります。この記事では4つのメリットについて紹介します。

書類の保管スペース・保管コストの削減

図面をペーパーレス化することで、紙の図面を保管する場所や棚を用意する必要が無くなります。図面が増えた際にも棚などの増設が不要です。

保管する場所や管理には当然のことながら保管スペースを確保するためのコストが発生します。さらに、ファイリングや整理など管理するためのコストも発生します。

図面を紙で管理するには常に整理整頓しなければ、図面の紛失などに繋がる可能性があります。 ITシステムを導入し図面をデータ化、ペーパーレスにすることで、整理整頓の作業も不要になるため管理コストや時間を削減することが出来ます。

検索・参照効率の向上による生産性アップ

図面をペーパーレスで管理するシステムを導入することで、システム上で簡単に図面を検索し、参照することができるようになります。

また、図面に製品名やメモ情報を紐づけて登録することで、様々な検索条件で図面を検索が可能になり欲しい図面をすぐ参照することができます。

たとえば似た図面を即座に検索したり、部門間で図面や情報の共有が容易になれば、現場の生産効率も向上します。

印刷のコストを削減

図面を紙で管理するには印刷する必要がありますが、印刷には紙代、プリンター代、トナー代、プリンターの整備費、電気代など意外に見えないコストがかかります。

製造業など大量の図面を扱っている場合は、印刷コストは決して無視できないものになります。

ペーパーレスで管理することで必要な図面のみを印刷することができるので、印刷コスト削減に役立ちます。

汚れや経年劣化の影響がない

図面が紙の場合、図面を現場に持ち出すと作業中に汚れてしまう可能性があります。 また、年数が経つことで図面の紙は徐々に劣化します。汚れや経年劣化によって図面が見づらくなり、再度印刷する必要がありコストが増加する可能性があります。

データで管理することで汚れや経年劣化の心配がありません。さらに、防塵対応のタブレットやスマートフォンで図面を参照することで、粉塵が舞うような製造業の現場でも図面の汚れについて配慮する必要がありません。

製造業におけるペーパーレス化のデメリット

ペーパーレスの手段には上記の他に、DXを推進したり、SDGsに配慮できる等のメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。

一覧性は紙のほうが優れる

デジタル資料は共有性や保存性に優れるものの、表示できる情報量はデバイスの画面サイズに限定されます。

そのため、製造業において大きな図面などを確認する際や、複数の資料を同時に比較したい場合などは紙の資料のほうが優れています。

必要に応じて紙資料を使用するなど、柔軟に対応することが求められます。

導入にコストがかかる

ペーパーレスに向けてシステムを導入する場合には、基本的にシステム利用料のコストがかかります。

高機能なシステムであったり、タブレット端末を利用するシステムの場合は端末代も発生します。

いくら印刷コストや書類の管理コストが削減されるとはいえ、導入で大きなコストがかかっては問題です。

システム導入による削減コストと導入コストをしっかりと計算することをおすすめいたします。

中小製造業が生産管理システムを導入するメリットについては下記記事をご参照ください。

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図面をペーパーレス化するときのポイント・検討事項

システム導入の有無

ペーパーレスを実現する際の検討事項として、まずはシステム導入の有無が挙げられます。

システムを導入することで、素材情報や更新日などを図面に紐づけて図面データを登録が可能であり、様々な条件で検索が可能であるメリットがあります。

システムを導入しない場合、図面名などをデータのファイル名に設定しファイル名で検索することで、コストをかけずに図面の検索が可能になります。一方で、他情報を図面に紐づけて登録することはできません。

また、ファイル名やデータの保存場所などのルール順守を徹底する必要があります。ファイル名などのルールが守られていない場合、データの検索性が低下し、ペーパーレス化によるメリットが得られない可能性があります。

データの保存場所

システム導入の有無の他に、データの保存場所を「自社内のローカル環境」または「クラウド環境」どちらを選択するか検討する必要があります。

クラウド環境は可用性が高いため、継続した業務が必須である場合大きなメリットがあります。

クラウド環境のデメリットとしてネットワークでデータのやり取りをする必要があるため、容量が大きいデータの管理についてはアップロードやダウンロードに多くの時間を要します。この問題は社内ネットワーク環境に大きく依存します。

一方、自社内のローカル環境であれば容量が大きいデータについてはクラウドと比較して扱いやすく、既存で導入しているシステムとの連携などの拡張性が高いです。

しかしローカル環境のデメリットとして、データのバックアップやセキュリティについては十分な対策が必須となります。

前述したシステム導入においてもクラウド・ローカル環境の違いがあるので 自社の業務にあったスタイルを検討する必要があります。データをペーパーレス化することが目的ではなく、ペーパーレス化することで得られるメリットなど本来の目的を忘れないように注意しましょう。

使用者のITリテラシー

社内でペーパーレス化を実現しようとする際には、使用者である社員のITリテラシー(ITを使いこなす能力)を確認することが重要です。

いくら多機能なシステムであっても、誰もが使うことが出来なければ意味がありません。社員のITリテラシーを確認し、それに合った使いやすさのツールを選ぶことが重要です。

まとめ

製造業におけるペーパーレスは図面や指示書など紙の情報をデータ化し、紙を扱うコスト削減と生産性向上を図るのが狙いです。

ペーパーレス化のメリットは下記のようなメリットがあります。

  • 書類の保管スペース・保管コストの削減
  • 検索・参照効率向上による生産性アップ
  • プリンターの管理費、トナー代、紙代など印刷コストの削減
  • 汚れや経年劣化がなく、保管性に優れる

一方でペーパーレス化のデメリットや考えなければならないポイントもあります。

  • 一覧性は紙のほうが優れるため、必要に応じ紙資料を活用する
  • 導入にコストがかかる
  • 使用者のITリテラシーを確認し、適切なシステムを導入する

図面をペーパレス化するメリットとペーパーレス化するときのポイントについて紹介しました。

ペーパーレス化することで業務効率やコストが改善されたり、図面の有効活用ができますので、図面管理のペーパーレス化を検討してみてはいかがでしょうか。

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