「セミオーダー型システム」とは?セミオーダーとフルオーダーの違いと選ぶべきポイントを徹底解説!

セミオーダーシステムとフルオーダーシステムの違いと選ぶべきポイントを徹底解説!

「セミオーダー型システム」セミオーダーとフルオーダーの違いと選ぶべきポイントを徹底解説!

生産管理システムの導入は、業務効率を大幅に向上させます。在庫管理による過剰在庫の防止、工程管理によるボトルネックの防止といったことも可能であり、市場競争に勝つための必要なIT技術といえます。

しかし、生産管理システムを探してみると、セミオーダーシステムやフルオーダーシステムがあり、どちらが良いのか迷ってしまいます。どちらも機能を自由に変更できますが、具体的な違いが気になるでしょう。

セミオーダーとフルオーダーは、どのようなシステムなのか。それぞれの特徴や選ぶ際の見るべきポイントなどを紹介します。

セミオーダーとフルオーダーの特徴

セミオーダーとフルオーダーは、それぞれ以下のような特徴があります。

セミオーダーシステムとは?

セミオーダーシステムとは、既存のパターンを組み合わせて作るシステム開発のことです。基本となるモジュールは決まっていますが、オプションとなる追加要素は各企業に合わせて自由に変更できます。

セミオーダーシステムの特徴は、必要な機能を選べることです。機能を組み替えることができるため、欲しい機能を自由に搭載できます。

逆に、不要な機能があれば削除することも可能であり、自社に合わせて自由にカスタマイズができるでしょう。

拡張性もあることから、必要に合わせて機能の増設も可能です。

フルオーダーシステムとは?

フルオーダーシステムとは、企業の注文に対して、一からシステムを構築するシステム開発のことです。「スクラッチ開発」や「フルスクラッチ」とも呼ばれ、企業に合わせた世界で一つだけのシステムを作成します。

フルオーダーシステムの特徴は、希望するシステムを自由に搭載できることです。顧客の要望に応じてシステムを構築するため、望む内容そのままのシステムが完成します。

既にある機能の組み合わせはもちろん、カタログにはない機能も注文できるなど、システム開発の自由度がとても高いといえます。

セミオーダーとフルオーダーの違い

セミオーダーとフルオーダーの違いは、開発自由度の高さです。既存の機能を組み替えて作るセミオーダーと比べ、一から組み立てるフルオーダーの方が、開発自由度は高く、企業にかみ合ったシステムを作ることができます。

しかし、一からシステムを作る都合上、フルオーダーの方が開発期間が長くなります。開発コストもかかるなど、フルオーダーの開発は手軽ではありません。

どちらも自由に機能を組み替えられる点は同じですが、フルオーダーの方がさらに自由度が高く、時間とコストがかかる違いがあります。

セミオーダーとフルオーダーのメリット・デメリット

セミオーダーとフルオーダーの特徴について、以下にまとめておきます。

それぞれのメリット・デメリットをよく確認をしてみてください。

セミオーダーのメリット・デメリット

  • メリット:コストが控えめ、開発速度が早い、動作が安定している、拡張性が高い
  • デメリット:方向性をしっかり決める必要がある

セミオーダーのメリットは、開発コストが安いことです。フルオーダーと比べ、既にある機能を付け変えるだけですので、開発費用を安くできます。新しく機能を開発する必要もないため、開発期間も短く済みます。

また、改修された既存の機能であることから、動作も安定しています。システムのバグが少なく、不具合が生じにくいです。

機能を組み替えて開発することから拡張性も高く、必要に応じて段階的に新しい機能を追加できます。

一方で、考えなしに機能を追加していくと、その分のコストがかかってしまいます。「追加したけど不要だった」といった事例も多く、開発を依頼する前には、しっかりとした目的や方向性を決めておく必要があるでしょう。

フルオーダーのメリット・デメリット

  • メリット:開発自由度が高い、予算内に納めやすい、長期利用しやすい
  • デメリット:コストが高い、開発速度が遅い、システムが安定していない、企業による品質差が出やすい

フルオーダーのメリットは、セミオーダーよりも開発自由度が高いことです。機能はもちろん、デザインやUIなども使いやすいよう注文ができ、オリジナリティのあるシステムが作れます。

予算が心配な場合も、事前に上限を決めておけば、予算が超過することはほとんどありません。

また、内容をすべて決められるため、ブラックボックス化する部分が少ないです。仕組みや使い方がわかることから、長く使い続けられるでしょう。

一方で、一から開発する都合上、開発コストと開発期間がかかります。システムも安定せず、導入してしばらくはトラブルも多いです。

企業の技術力によってシステムの品質が大きく左右されるなど、フルオーダーを依頼する場合は、企業選びがとても重要になってきます。

生産管理システムを選ぶ時のポイント

生産管理システムを選ぶ際は、なんとなくで決めてはいけません。さまざまな生産管理システムが存在しており、適していないものを選んでしまうと、業務効率は向上せず、逆に業務効率を落とす可能性もあります。

カスタマイズ性が高いからこそ、自社に合うかどうかをしっかり見極める必要があるでしょう。

では、どのような要素を気にして、システムを選べば良いのでしょうか?

自社の生産形態とマッチするか?

システムを選ぶ際は、自社の生産形態に合っているかを確認してください。いくら優れたシステムであっても、生産形態が合っていないとシステムを使いこなせません。

仮に、自社が少品種多量生産を方針としている場合、多品種少量生産をサポートする管理システムでは、生産形態が合っていないといえます。システムを導入しても、仕様が異なることから、逆に現場を混乱させる結果となるでしょう。

ほかにも、受注生産や見込み生産、ロット生産など、企業によっていろいろな生産形態があると思います。

サンプルを確認するなどをして、自社で使えるシステムなのかを判断しましょう。

自社に必要な機能があるか?

システムを選ぶ際は、必要な機能が備わっているかを確認してください。必要な機能が搭載されていないと、導入しても業務効率は向上しません。

過剰在庫を防ぎたいなら在庫管理機能、ボトルネックを防ぎたいなら工程管理機能といったように、導入する目的をしっかり決め、実現できる機能を選択することが大切です。

そのためにも、システム開発の注文をする前に、まずは問題や課題を把握することから始めると良いでしょう。

機能の拡張性があるかどうか?

機能の拡張性も重要な判断要素です。システムに拡張性がないと、新しい事業や作業に対応できません。

企業が長く続けば、業務内容が変わることもあるでしょう。しかし、業務内容が変わるたびにシステムを新しく変更するのは、コストがかかりすぎてしまいます。

コストを最小限にシステムを変更するためにも、拡張性の確認は必要です。

他システムとの連携があるかどうか?

他システムと連携できるかも、確認をしてください。生産管理システムは販売管理システムや会計システムといった他システムと連携することが多く、連携ができないと業務が止まってしまいます。

各システム同士の相性はもちろん、他部門の意見も参考にし、企業全体で一貫性のあるシステムにしましょう。

サポート体制が充実しているかどうか?

サポート体制についても確認をしてください。サポート体制が不十分だと、トラブルが生じた際に業務が大幅に遅れてしまいます。

特に、フルオーダーは実用経験が少ない不安定なシステムです。トラブルも多いことから、必須の確認項目といえます。

サポート範囲はもちろん、対応時間やサポート期間なども踏まえたうえで、開発企業を選んでください。

予算との兼ね合い

最終的な決め手は、予算との兼ね合いです。いくら自社の生産形態に合ったシステムであっても、予算が足りなければ導入できません。予算を増やして導入することもできますが、企業の負担となるため、おすすめをしにくいです。

予算を超過しないよう、開発企業と打ち合わせをする際は、まず始めに上限予算を伝えてから希望内容を話し合うようにしてください。

また、フルオーダーよりもセミオーダーの方が安くシステム開発ができます。予算が心配な場合は、セミオーダーから選択すると良いでしょう。

まとめ:セミオーダーとフルオーダーの選び方のポイント

生産管理システムを選ぶ際は、目的に合わせて選ぶと良いです。必要な機能が備わっていないと、導入する意味がありません。必要な機能を確認したうえで、拡張性やサポート体制など、自社との相性を見極めてください。

フルオーダーの方がカスタマイズ性が高いですが、初めて導入する場合は、あまりおすすめしません。フルオーダーはコストと開発期間がかかり、企業の負担が大きいからです。十分な予算や時間を用意する必要があることから、資産が少ない中小企業は選びにくいといえます。

一方で、セミオーダーはコストと開発期間が少なくすみます。動作も安定しているため、導入後にトラブルが生じるリスクも少ないです。

もちろん、フルオーダーよりも開発自由度は下がりますが、セミオーダーも十分な拡張性と機能があることから、あまり気にならないでしょう。

むしろ、細かく機能を注文する必要がないため、初めてシステムを導入する企業は、セミオーダーの方が注文がしやすいといえます。

フルオーダーがダメなわけではありませんが、まずはセミオーダーから選択してみるのをおすすめします。

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